第3話 魔神が目覚める日
眠りについたMoguを呼ぶ謎の声。
その正体はなんと、スマホの中にいる【囁き】の声だった!
囁きはMoguと会話しながらも、大勢の敵を相手に戦っている。
それはまさに、
誰が見ても無理ゲー状態なのであった…。
【第3話】魔神が目覚める日
キンッ!
キンッ!
ガキ-ンッ!!
囁き「く…、こんなところで負ける訳には…!!」
ザンッ!!
斬!!
ズッバァァァアンッ!!
倒しても倒しても湧き出てくる、大量のモブ兵士。
それを相手にしているのは囁きただ1人…。
いくらなんでも無理ゲー。
凄まじい耐性を持ち、
凄まじい可愛さを持ち、
愛くるしい瞳を持ち、
純白に包まれた美しさを持ち、
謎めいたミステリアスな部分を持ち、
小柄でスマート、金髪サラサラロングヘア-な囁きだとしても、
この戦闘はあまりにも無謀なのであった。
Mogu「囁きさん、いくらなんでも無茶よ!ここは一旦離脱した方がいいわ!無理しないで!」
傷つきながらも進んでいく囁きに、Moguは心配そうに話しかけた。
囁き「せっかく掴んだチャンス、ここで退く訳にはいきません…!」
ザンッ!
ズバンッ!
キンッ!キンッ!
それでも尚突き進む囁き。
しかし、明らかに劣勢。
いくら堅い囁きであっても、この数の暴力はあまりにも痛すぎた。
モブ兵士A「これ以上進ませるな!この先は幻影戦争のプロデューサー、広〇Pによって死守しろと言われている場所。絶対に近寄らせるな!」
キンッ!
キキンッ!!
ザクッ!!
囁き「う…!!この程度、こんな雑魚にやられたりなんか、しないっ!!」
モブ兵士B「ハハハッ!奴は虫の息だぞ!やっちまえ!」
囁き「…調子に乗らないで欲しいわね。あなた達といつまでも遊んでいるほど私は暇じゃない。」
キンッ!
キンッ!
Mogu(不味いわ囁きさん、強がってはいるけど明らかに劣勢…。こんな時に、こんな時に私は見守ることしか出来ないってゆうの!?)
キンッ!キンッ!
ガキ-ンッ!!
モブ兵士A「おらおらおらぁ!どーしたよ、さっきまでの強がりは!」
囁き「くっ…!舐められたものね、私も。」
キンッ!
ガキンッ!!
モブ兵士C「ほーら、あと少しだ。手柄はおれが貰った〜っ!!」
囁き「!!…しまった!」
ズバァア-ンッ!!
モブ兵士Aに気を取られた囁きは、横から来たCの不意打ちを喰らってしまう。
Mogu「囁きさんっ!!!」
囁き「ぅぐ……。こ、こんなところで…!」
モブ兵士C「ほーう、さすがはあの囁き。やたらかてーじゃねぇか!だがいつまで持つかなぁ!?おらおらおらぁ!」
この一撃により更に勢いづくモブ兵士たち。
しかし、
それでも立ち向かう囁きであった。
囁き「…。まだよ、私は何度でも立ち上がり、突き進むわ。この向こう側に行くために、私は1人でもやり遂げる。」
シャキンッ!
囁きは再び剣を取り、立ち上がる。
その姿を見ていたMoguは、いてもたってもいられにった…。
自分の内側から力がみなぎってくる…!
Mogu「…。囁きさん、あなたは1人じゃないわ。」
囁き「…、Mogu様?」
Mogu「あなたは1人なんかじゃない、私がついている!私があなたを守ってみせるわ!」
囁き「…Mogu様。」
キュン(*♡_♡)
Mogu「いい?囁きさん。これから私の指示通りに動いてちょうだい。この戦闘、勝つわよ!」
囁き「…はい、Mogu様!」
Moguは囁きが攻撃されているのを、黙って見てなどいられなかった。
自分が指示を出し、この無理ゲーな状態から勝つと言いだしたのだ。
この言葉を聞いて、囁きは思い出していた。
昔の、魔神の如き采配力を持つ、あの頃のMoguを。
モブ兵士達「おらおら、イケイケ〜!」
ズドドドドド!!
これは好機!と言わんばかりにモブどもが流れ込んでいく。
Mogu「大勢を相手にする場合、こちらの位置取りが重要よ。多方面から攻撃を受けないよう壁に背を向け、まずはAP、回復、防御力を高めるために、ディバインシェルターを使いましょう!」
囁き「了解。」
Mogu「さぁーて、うちの可愛い可愛い囁きちゃんによくも酷いことをしてくれたわね…!たっぷりとお仕置してあげないとね!」
囁きを助けたい!
という気持ちから、Mogu自らが指示を出すことになった。
その姿はまさに1年前のMoguの姿。
運営により、記憶を書き換えられる前のMoguの姿であった。
2人はこの状況を覆すことができるのであろうか…。
【次回 復活のMogu】